目次
記事概要
ご覧頂きたい方
- Facebook&Instagramの広告を初めて運用される方
- Facebook&Instagramの広告を運用したが、思ったような成果が出ない方
- インハウスマーケターの方
この記事の便益
- 網羅的かつ、クリティカルな部分は詳細に書いている点
- 公式の情報をしっかり引用している点
FB広告の大まかな特徴or特定の機能の詳細のみ書いてる記事ばかりで、大枠を捉えつつ、重要な部分は詳細に知れる記事が自分用にほしかったため執筆。
Facebook&Instagram広告の特徴
実名制&圧倒的データ量による、高いターゲティング精度
実名制というのは、言わずもがなです。
正確な年齢・性別・電話番号・メールアドレスだけでなく、会社名・役職、また興味関心(いいねやグループ等の行動データ)等のデータも活用できます。
機械学習は、「正確なデータ×データ量」で精度が決まります。
Facebook社はFacebookだけでなくInstagramのデータも保有しており、
日本市場においても圧倒的なデータ量を保有していることがわかります。
人ベースの正確なトラッキング
ログインして利用するので、一般的なcookieによるトラッキングでなく、
FacebookのユーザーIDを元にトラッキングしています。
(各々のデバイスやブラウザでログインするので、その時に個人と各デバイスが紐付けられるのです。。。)
時々ありませんか?
「あれ?会社のPCで検索していた内容(MAツール)なのに、
自分のスマホでもひたすらMAツールの広告にトラッキングされる。。。」
という経験。
これはCookieベースでなく、FacebookのユーザーIDでリタゲされている良い例です。
このようにデバイスをまたぐトラッキングも正確に行うことが可能です。
上記の例は、facebookのタグがMAツールのHPに埋め込まれていて、リタゲされたと想定されますが、その他にも電話番号やIDFAを使ったターゲティング方法もあります。
参考
Facebookが「盗聴しているのでは?」と思える精度でユーザーの行動を追跡できるのはなぜなのか?
【入門】Facebook広告とは?特徴やターゲティングの種類、費用や仕組みを分かりやすく解説
基本情報
アカウント構造
以下の画像の通りです。
一般的なアカウント構造になってます。

- キャンペーン
- →広告の目的を設定
- 広告セット
- →予算、スケジュール、ターゲット、入札、配置等を決定
- 広告
- →クリエイティブや広告文言を設定
参考:https://www.facebook.com/business/news/JA-Campaign-Structure-Update
課金ポイント
FB広告は広告の目的によって、課金ポイントが変化します。
(一覧はこちらの記事の「目的に合わせたキャンペーンの種類」を見てください)
そして見て頂いたらわかるように、基本的にFacebook広告はCPM課金です。
しかし「キャンペーン」で選択できる、広告の目的を「トラフィック」にして、
「広告セット」の広告配信への最適化を「リンククリック」にした場合のみ、
CPC課金を選択できるようになります。

注目していただきたいのが、広告の目的を「トラフィック」にした場合の、
広告配信への最適化のデフォルト設定は「ランディングページビュー」という部分です。
よく文章を読むと、「あなたのリンク広告をクリックして、ウェブサイトまたはインスタントエクスペリエンスを読み込む可能性の高い人に広告を配信します。」と記載があります。
つまりクリックするだけ(クリックだけする悪質なbotとかありますよね〜)でなく、
しっかりページを読んでくれる人に対して最適化してくれるということです。
上記より、私も私の周りでも、CPC課金を使っている人はほとんど見かけないです。
出来る限り奥の課金ポイントを設定したいと思う気持ちは身に染みるほどわかりますが、
FB広告ではCPM課金で運用することをおすすめします!(CPCは使わない)
入札戦略
入札戦略は全部で6つあります。
その詳細については、Facebookの公式の入札戦略ガイドがあるので、ご確認ください。
収益データをFBに返さずに仕様できる入札戦略は以下の4つになります。
多くのビジネスモデルにおいて、
「許容可能なCPA/CPIの範囲内でコンバージョン数を最大化できる」ことがベターだと思いますので、平均目標達成単価上限を使用する場合が非常に多いです。
最小単価(自動入札)
概要 | 設定した予算を全て使い切る前提で、CV数を最大化する。 |
メリット | 予算を使い切る必要がある時や、とにかくCV数を増やしたい場合使用する。 |
デメリット | CPAをコントロールできないので、CPAが高騰する可能性が高い。 |
入札価格上限
概要 | 指定した入札価格で、配信数を最大化できる |
メリット | 最小単価と比べて、CPAが大幅に悪化する可能性が低くなる |
デメリット | 入札価格が低いと配信が出ない。またそもそも入札価格自体を管理画面で見れない。 |
平均目標達成単価上限
概要 | 許容可能なCPA/CPIの範囲内でコンバージョン数を最大化できる |
メリット | コスト効率を自動で、最大限に高めることができる |
デメリット | コストが最も低い機会を得られなくなると、単価が上昇する可能性がある |
ターゲット単価
概要 | 一定の単価を維持することができる |
メリット | コストを予測できる |
デメリット | コストの低い結果をすべて逃してしまう |
機械学習(最適化)
機械学習に必要なCV数は、50件/週になります。
ですので、もし50件(広告セット)/週にCV数が達しない場合は、
CVポイントを前にする等の改善が必要になります。
ちなみに最適化イベントは広告セット内で設定します。
参考
【FB公式】最適化イベント
【FB公式】情報収集期間について
オーディエンス(ターゲティング)
Facebook広告で使用できるオーディエンスは3つです。
まずは大枠を理解して、自分のビジネス特性や市場状況と相性が良いオーディエンスを探します。
公式のオーディエンス説明はこちら
コアオーディエンス
FB上にあるデータでターゲティングが可能です。
以下の4つに分類されます。
利用者層 | 学歴・学校・勤務先等のFBのプロフィールに登録してある情報 |
興味・関心 | いいね!やアクティビティからFB側で推測 |
行動 | 過去の購入履歴やデバイスの利用状況 |
その他カテゴリ | facebookのつながり(友達やいいね) |
例として、早稲田(waseda)は「学校」「勤務先」「興味・関心」でターゲティングができます。
また以下のように、FBページのエンゲージメントでオーディエンス作成も可能です(AND条件なので注意)

カスタムオーディエンス
以下の画像に記載のあるデータを使用して、カスタムオーディエンスを作成することができます。
以下は一般的に良く使用されていて、効果が高いカスタマーリストです。
- ウェブサイトにX日以内に訪問した人(いわゆるリタゲ)
- ウェブサイトの特定のページに訪問した人(リタゲの深いver)
- 特定のアプリイベントを行った人(adjustとfacebookの連携はこちら)
- Facebookページでアクションした人
- 自社で保有するデータ(電話番号etcをcsvでアップロード)
ここで注意して頂きたいのは、
カスタムオーディエンスは作成したその日からデータが溜まる
ということです。
ですので、上記のような鉄板リストは先に作成しておくことをおすすめします。
類似オーディエンス
このオーディエンスがfacebook広告が最強と言われる由縁です。
上記のカスタムオーディエンスで作成したユーザーと似たユーザーを拡張範囲(1%~10%)で指定して、リスト化することができます。
ここで注意していただきたいのが、10%に1%は含まれるという点です。
つまり別々の拡張率によって、同時並行でテスト運用ができないのです。
(同じターゲットになるので入札が被る)
ですので、リストの質とリストの規模の良い塩梅を見つける必要があります。
類似拡張の設定イメージは以下です!

以下は類似オーディエンスを作成する上の基礎情報ですので、ご確認ください。
- 元データは1,000人~50,000人がおすすめ
- 最低でも100は必要
- データの質も重要です。例えば、インストールユーザー全員にするよりも、LTVが高い顧客だけにするほうが良い結果を得られる可能性が高くなります
【FB公式】類似オーディエンスの記事はこちら
広告オークションについて
PDCAを回す上で、Facebook側がどのようにオークションの勝者を選んでいるのか理解することは必須です。
以下引用です。当たり前ですが、入札だけ高ければ良いというわけではないのです。
Facebookの広告オークションでは、利用者とビジネスの両方に最大の価値をもたらす広告が落札されるため、全体的な価値が最も高い広告がオークションの勝者となります。全体的な価値は、主に次の3つの要素から判断されます。
参考:広告オークションについて
3つの要素とは以下です。
- 入札価格
- 推定アクション率(レポートでは「エンゲージメント率ランキング」と「コンバージョン率ランキング」で見れる)
- 広告の品質(レポートでは「品質ランキング」で見れる)
以下のレポートのように、オークションに影響を与える指標は常に見れるようにしておくことをおすすめします。

改善方法はFB公式の広告関連度診断の活用方法に丁寧に記載があるので、ご確認ください。
また関連度指標を上げることが、広告運用の目的でないので、
部分最適に躍起にならないようにお気を付けください。
配信日時
以下の画像のように、キャンペーンの予算を「通期予算」で設定することで、
広告セット単位でスケジュールを設定できるようになります。
【FB公式】キャンペーン予算の最適化について

デバイス指定
こちらは特に条件なく、広告セット単位で設定が可能です。

配信面
クリエイティブを作成する上で、
どこに・どのように配信されているか、イメージ出来ていることは非常に重要です。
なぜならFacebook利用ユーザーとInstagram利用ユーザーの属性は大きく違っており、効果の良いクリエイティブも違ってくるからです。
また相性の良い配信面によって、配信規模も大きく変わってきます。
まずは以下にMAUのデータを記載してます。
- Facebook(約2,600万人)
- Instagram(約3,300万人)
- Facebook Audience Network
【最新!! 国内SNS月間アクティブユーザー数👶🔥(2020年7月更新)】
最新公表データです!!💁♀️
◼︎各媒体MAU
①LINE: 8,400万人②YouTube: 6,200万人
③Twitter: 4,500万人
④Instagram: 3,300万人
⑤Facebook: 2,600万人
⑥TikTok: 950万人#デジプロ pic.twitter.com/UKIQCcma6P
— デジプロ🔥@デジタル広告のプロを育てる学習サービス (@digimapro) July 19, 2020
Facebook Audience Networkの配信先アプリは以下のようです。
公式から見つけられなかったので、リスマガさんから引用させていただいてます。

クリエイティブ
配信面ごとのアスペクト比
配信される場所によって、最適なアスペクト比が変わってきます。
デジプロさんのツイートが良く纏まっているので、またまた引用させて頂きます。
公式の広告ガイドはこちら
【保存版!! Facebook広告クリエイティブベストプラクティス👶🔥】
困った時は、これを見て下さい!!💁♀️
◼︎最適なアスペクト比
①1:1(1080×1080)
➡︎最も汎用的②4:5
➡︎パフォーマンスに最適(特に動画)③9:16
➡︎ストーリーズに最適④16:9
➡︎インストリームに最適#デジプロ pic.twitter.com/M5eexK5mUd— デジプロ🔥@デジタル広告のプロを育てる学習サービス (@digimapro) July 22, 2020
ちなみに上記をご覧頂いてわかるように、最も汎用的なアスペクト比は1:1です。
ですので、まずは1080×1080で、訴求軸別に複数クリエイティブを用意して配信をスタートするのが良いです。
他社のクリエイティブを参考にする
Facebook広告では他社のクリエイティブを以下のURLからチェックできます。
https://www.facebook.com/ads/library/?active_status=all&ad_type=political_and_issue_ads&country=JP
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ベストプラクティスと運用TIPS
ベストプラクティス
ターゲット精度が高く、全能に見えるFB広告でも、
ドメインやサービスによって、やるべきこと・入札戦略が全然変わります。
またFB広告がめちゃくちゃ相性悪いということもあります。
そのためベストプラクティスを断定的に記載するのは、多くの誤解を生むというのが個人的な考え方です。
ですので、あくまでもイチ運用者のポジトークという温度感で見て下さると嬉しいです。
- まずは広告セットあたり50CV/1週間間を目指せる、アカウント設計にする(広告セットを分散させない&オーディエンス被らせない)
- ↑上を達成するために、CVポイントを調整しつつ、クリエイティブのPDCAを回しつつ、ROASを見る
- ②で回り始めたら、クリエイティブとオーディエンスの定期的な入れ替え&追加を行う